1/75 S.W.チャーチル
大阪府泉佐野市 喜六丸 様
初めて帆船模型製作に挑戦しました。驚くことが多かったです。まずレーザーカットの精度の高さです。フレームにキール、ブルワーク、甲板がぴったりはまり、マストは垂直に立つ。
この精度を実現する設計企画力も素晴らしい。リアリティの高さも驚きです。エンジン二機掛けなのでコントロールレバーは二つ、二軸反転プロペラは左右のピッチが逆になっている。完成品を見て左右のピッチの違いに気付く人は少ないと思いますが、そこに貴社のこだわりを感じます。どのセイルのハリヤードがどのビレイピンにリードされているのか、シートのテークルもリアルでこの模型を製作することこによりこの船の艤装が理解できます。
レッドクロスの盾を抱いた金の立髪のレッドライオンの塗装はとても細かい作業でした。セイル展開については実際の帆走状態ではなく、あくまでディスプレイ上の総帆展帆であることは理解していますが、ポートタックでありながらブームが中央にあることに違和感があります。グースネックの真鍮線に角度をつけブームを右舷に出しました。ジブブームはこの方法が使えないのでテークルの糸を接着剤で固めて右舷に出しました。横帆は右舷のブレースを引き角度をつけました。これでセイル展開の違和感はなくなりました。エンサインもセイルとの整合性を持たせるため少し右舷にしました。
完成が近づくにつれ、うれしいような帆船製作ロスのような複雑な気分でした。
初めての帆船模型製作とのことですが、ヨットの知識が豊富で、実船の仕組みに忠実な組立てがすばらしいですね!設計士も拝見して感心しておりました。模型としての完成スタイルを喜六丸様のような方にアレンジしていただくのは大歓迎です。これからもぜひ帆船模型製作を楽しんでくださいね。